「火の粉でテントに穴が開くのが心配、陣幕は本当に役に立つ?」「陣幕を使いたいけど設置場所がわからない」
キャンパーの中でも陣幕の必要性については意見がわかれます。しかし、風の強い日などは、風よけがあったら便利だなと思うことも多いはず。
陣幕は、風を防いだり周囲からの視線をさえぎったりと、いつものキャンプをさらに快適にしてくれるアイテムであることは間違いありません。
今回は、陣幕を設置するメリットや、実際に陣幕を使うときのレイアウト方法などをご紹介します。
キャンプの陣幕とはどんなもの?
キャンプで使用する陣幕とは、どのようなアイテムなのでしょうか?こちらでは、陣幕の由来や必要性について、くわしくご紹介します。
陣幕とは?
陣幕の由来は、戦国時代から江戸時代にかけての日本において、戦(いくさ)の際に陣地を区切っていた壁のような幕を指します。武家社会においては、神聖な意味合いを持つ軍用具だったようです。
しかし、現代でいう陣幕は、キャンプ時に使用するアイテムとして広く愛用されています。
キャンプに陣幕は必要?
陣幕は風をよける壁として活躍するため、焚き火をする際にたいへん重宝します。
https://twitter.com/NaMU2xojNgNvwjV/status/1502178940533678080
屋外での焚き火は、風の向きや強さによって、火の粉が飛んだり炎が消えたりすることも。最悪の場合、乾燥した葉っぱやテントなどに火の粉が飛んで燃え移り、火事につながるケースもあります。
また、混雑しているキャンプ場などでは、プライベートゾーンを確保するときの目隠しとしても役立ちます。
陣幕がなくてもキャンプはできますが、あると快適さと心地よさは増すでしょう。
次ではさらに、キャンプに陣幕が必要な理由をメリットやポイントを、くわしく解説していきます。
焚き火で使用する陣幕のメリットやポイント
それではキャンプにおける陣幕のメリットとポイントは、以下のとおりです。
- 風が少々強くても焚き火できる
- プライベート空間を作れる
- テントを保護できる
陣幕はあると大変便利なキャンプギアです。ぜひ参考にしてくださいね。
風が少々強くても焚き火ができる
大自然にあることが多いキャンプ場では、その日の天候によって風の強さや方向が変わります。
風の向きにもよりますが、焚き火の火の粉は周囲2〜3mに飛散するといわれています。
火の粉は風とともに、周囲に飛び散ります。冬など寒い時期に焚き火に近づきすぎて、服やテントに火の粉が飛んで穴が空いた、という経験をしたことがあるキャンパーも多いのではないでしょうか?
風の向きを捉えて適切な場所に陣幕を設置することで、火の粉の飛散も抑えられます。
さらに、風をさえぎることで薪や炭もゆっくり燃えるので、燃料の節約や省エネにもなりますよ。
寒い時期では、寒さ対策や強風時に荷物が飛んでいくのも防げます。
プライベート空間を作れる
春から夏のキャンパーが増える季節は、キャンプ場に大勢の人々が集まります。混み合っているキャンプ場などで、周囲の視線が気になるときに、目隠しと壁の役目をしてくれます。
とくに、通路や炊事場の近くなど人がよく通る場所や、テントの入口周辺など、覗き見防止として設置するのにも最適です。
「周囲の目が気になり落ち着かない」というときも、陣幕があるとかんたんにプライベート空間を作り出すことができます。
テントを保護できる
陣幕は、テントを守るという点にも優れています。
風をよける機能があるのはもちろんですが、舞い上がる灰・火の粉が、周囲の草木や近隣のキャンパー地帯に飛ばないように守る役目もあります。
火の粉の温度は一般的に800℃〜1000℃程になるといわれています。衣類だけでなく、テントやタープまでも溶かし穴を開けてしまうことも。
耐火性・難燃性素材の陣幕を設置することで、火事やテントなどに穴が開くのを防ぐことにつながります。
キャンプでの陣幕の正しい使用方法とは
次に、陣幕の正しい使用方法について解説します。
テントと陣幕の置き場所と設置の仕方には、それぞれ風向きにあうコツがあります。ぜひ参考にしてみてください。
陣幕とテントのレイアウトにおけるポイント
まず陣幕を設置する前に、現地の風向きをチェックしましょう。「風下」「風上」を考えながら、テント・陣幕・焚き火の位置を考えます。
テントの位置は、焚き火より「風上」に入口を向けるのがベスト。
焚き火の煙・灰・火の粉は「風下」に飛びます。陣幕は、焚き火から「風下」に風をさえぎるようにして設置するのがポイントです。
焚き火の「風下」にテントやテーブルを設置しないように注意しましょう。灰と火の粉まみれになります。
車を横付けする場合も、焚き火より「風下」に停めると灰やすすまみれになってしまいます。車はテント近くに停めましょう。
あまりにも強風のときに、焚き火をするのは危険です。テントや衣服などに燃え移る可能性もあります。強風時は撤退するようにしましょう。
座るポジションはどこがいい?
陣幕を使って焚き火をするときの座り位置は、焚き火より「風上」側を背にして、陣幕と焚き火と向かい合うようにして座ります。横向きで焚き火を囲むポジションが安全です。
焚き火をするときは、次のように距離感に気をつけましょう。
- 人と焚き火の距離は1mほど空ける
- 焚き火とテントの距離は3mほど離す
風の影響によって火の粉が舞い散る可能性もあるため、念のために距離をとっておくのがベストです。
陣幕設営のコツ
どの場所に設営するのか、あらかじめ位置を決めておきます。風の向き・テントや焚き火の位置・目隠ししたい角度など、すべて計算して設置するのがポイント。
陣幕を設置する場所に石などがある場合は、取り除いておきます。
風の向きを捉えて設置するので、風圧に負けないように深くペグダウンしましょう。
ペグはロープを張ってる方向と逆向きにして、少し斜め45度気味に打ち込むのがポイントです。ロープと同じ方向に打ち込むと負荷がかかったときに抜けやすくなるため注意しましょう。
ロープ類もしっかりと固定するのも忘れずに。
幕を被せたままフレームやポールなどにハンマーを使うと、幕が傷つき劣化しやすくなるので気をつけてください。
幕はピンと張るように調整しつつ、風の向きや焚き火の位置を見極めて設置する角度を決めましょう。理想はゆるやかな「く」の字になるのがベスト。
キャンプスペースの風下になるように設置するので、
風にあおられて倒れないか?
バランスがきちんと取れているか?
など最終的に安全確認を行います。
焚き火陣幕 使用後のメンテナンスや保管方法
長持ちの秘訣はメンテナンス
キャンプ後にメンテナンスをせずに、そのまま収納袋にしまうのはNGです。
使用後の陣幕には、土や水分、焚き火の灰など多くの汚れが付着しています。そのままにしておくと、サビや生地・フレームの劣化につながるので注意が必要。
使用後または持ち帰ったらすぐに、しっかり汚れを落とすことを心がけましょう。
薄めた中性洗剤に浸したタオルや布で、優しく拭くのがコツです。
頑固な汚れなどは軽く水洗いをしてください。汚れを落とした後は完全に乾燥させてから片付けます。水分が残っているとカビや悪臭の原因となってしまうので、直射日光を避けたところで陰干しをして、しっかり乾燥させましょう。
しっかり収納して保管
メンテナンス後の陣幕は、ポールや生地などバラバラのまま放置せず、ひとつにまとめて収納しましょう。収納袋にいれるのは、次回に持ち運びやすいだけでなく、直射日光などから守ったり、傷がつくのを防ぐ保護の役割があります。
陣幕はタープやテントと同じく、しっかりした生地でポールやフレームなども付属しているため重量も同じくらいあります。持ち運びしやすくするためにも、収納袋はなくてはならないアイテムです。
陣幕を選ぶ際には収納袋もチェックするとよいでしょう。
WAQのTCシリーズから新発売の「焚き火陣幕TC」
アウトドアブランドWAQでは、大人気のTCシリーズから「焚き火陣幕TC」を発売中です。
TC素材(混紡素材)は高い通気性・遮光性・吸水性を備えています。火の粉が当たっても穴が開きにくいので、焚き火には最適。それでは「焚き火陣幕TC」の特徴や注意点をご紹介します。
焚き火やプライベートゾーンに最適! WAQ「焚き火陣幕TC」
ソロキャンプや少人数キャンプに最適なサイズ感の「焚き火陣幕TC」。
杭部分とフレームは分離している構造のため、好きな角度に合わせられます。風向きやその時の状況に合わせた角度に設置が可能なのも嬉しいところ。プライベート感も高められます。
サイドシートは巻き取り可能。横幅の調節もできます。
頑丈でアレンジのきくアイアンフレームは、風よけとして抜群。さらに、火ばさみやランタンなどのキャンプアイテムを引っ掛けられるフレームを装備しています。
難燃性のTC素材(混紡素材)を採用。火の粉があたっても穴が空きにくいので、焚き火の近くでも使用できるのが最大の特徴です。
WAQ TCシリーズのソロ用テント「WAQ AlphaTCソロ用ティピテント」の大きさに合うよう設計しているので、ソロ用テント+陣幕を組み合わせて使うのもおすすめ。
幅310cm × 高さ100〜105cmと、一般的なローチェアーやローテーブルと合わせるのに十分な大きさです。
大人が座っても目線をさえぎられるため、目隠しにもぴったりの高さ。周囲を気にせず、自分だけのプライベート空間が完成しますよ。
コンプレッション機能付き専用収納ケースが付属しているので、使用後もしっかり収納・保管ができます。
まとめ
陣幕の必要性や基礎知識、レイアウトや正しい使い方を解説しました。陣幕は焚き火をするときの風よけや、周囲からの目隠しとしても、大変重宝するキャンプギアです。季節を問わずキャンプに使えるため、1つもっておくと重宝します。
設置するときは、風下や風上といった風の吹き込む向きをしっかり把握することで、快適な焚き火キャンプも実現します。
「テントは焚き火より風上に」「陣幕は焚き火より風下に」といったポイントや注意点を抑えることで、火の粉や煙も防止でき、周囲にも迷惑をかけず安心感も増すでしょう。
ぜひこの機会を参考に、焚き火キャンプの必需品として陣幕をそろえてみてはいかがでしょうか。